ドメスティックな彼女|ネタバレと感想

【ドメスティックな彼女】211話ネタバレ!桃源先生の体に起こった異変。そしてついに親子であることを知った華先輩は!

ドメスティックな彼女|ネタバレと感想

210話のラストでは、自宅で倒れている桃源先生を夏生が見つけるところで終わりました。

211話は、父を知らない子供時代の華先輩の回想から始まります。

父を知らずに育った華先輩。見た事のない父親を、母がどのように華先輩に伝えてきたのか?父親に対してどんな想いを抱いてきたのか?

そして、現在。父親が誰かを知っての複雑な胸の内や、倒れて運ばれた桃源先生自身の思いが明らかになっていきます。

ネタバレや画バレを含んでいるので気になる方は注意してください!

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ドメスティックな彼女211話のあらすじ(注:ネタバレ・画バレあり)

幼い日の記憶

幼い頃から本が好きだった華先輩。読みたくてもなかなか図書館の順番が回ってこなかった本を友達に借りて大喜び。

 

「返すのはいつでもいいからじっくり読んでいいよ。」

 

そう言ってくれた友達に、幼い華先輩はおずおずと尋ねます。

「・・・あのさ、ここで読んでっちゃダメかな」

 

本を読んでいるとお母さんの機嫌が悪くなることを知っている華先輩。自宅で読まない、つまり母親の目の前では読まないようにする。それは、子どもなりの気遣いでした。

 

そして、本を読んでいるところに友達のお父さんが帰宅します。

 

お土産に買ってきてくれたチーズケーキを、お父さんと楽しそうに選ぶ友達。その光景は、幼い華先輩の目に焼き付くのでした。

 

桃源先生の容態と決意

桃源先生が目を覚ましたのは救急車の中でした。横には心配そうな顔で見つめる夏生。状況が分からない先生に、夏生は「家で倒れていたこと」「顔色が真っ白だったこと」などを説明します。

 

「大げさな・・・少し疲れが出ただけだ。もう何ともないから降ろしてくれ」

そんな先生に、夏生はきちんと検査を受けるように怒ります。

 

病院まで付き添った夏生は、家族がいない桃源先生の代わりに、検査結果を聞くことになります。そして告げられたのは、癌の疑いがあるという衝撃の事実でした。

 

レントゲンで肺に影が見つかり、詳しい検査結果待ちではあるものの、疑いはかない濃厚で、今回倒れたのは、過労に胸の痛みが加わった可能性もあると。

病院の先生からは、このまま精密検査をうけて早めに手術をするよう進められます。

 

「そうか。お前も聞いたか」

 

夏生は先生に癌の疑いがあることを伝え、もし検査の結果、手術をすることになっても、「自分が入院の手続きなどを全部手伝う」と申し出ます。

そんな夏生に、先生は驚くことを告げたのです。

 

「手術はしない。」

 

せっかく間に合う段階で癌が見つかったのに、やっと娘(=華先輩)に会えたのに。

桃源先生は「お前が来なきゃあのまま死んでたかもな。惜しかった」と、本気とも冗談ともつかない事を言います。

 

華先輩にはもう会うこともなく、今更父親として接するつもりもないという桃源先生。

息子を死なせてしまってからは、罪を償う意識で生きてきた先生にとっては、がんになった事は「罰」であり、「救い」でのあると感じられたのです。

 

「それなら、全て受け入れよう」

静かだけど、強い決意の感じられるその横顔を、夏生はただ見つめるしかできませんでした。

 

 

告げられた真実

「ちゃんと載ってる。すごいじゃーん」

文藝大賞受賞者の発表欄に「華村一実」と、名前が載った本を、華先輩は友人と眺めていました。

 

学生の間に作家作業が上手くいけば、そのまま作家としてやっていけそうですが、華先輩はこの事は母親に内緒にしているため、そういうわけにはいきません。

 

そんな先輩のもとに、夏生から「これから会えないか?」という連絡が入ります。

もしやデートのお誘い?いやいや、そんな訳あるわけない。そんなちょっとドキドキした気持ちとは全くかけ離れた事実が、夏生から告げられます。

 

「正直・・・かなり悩みました。」

 

桃源先生は、華先輩が事実を知ることを望んではいないし、いくら夏生とは言っても、他人の親子関係に首を突っ込むべきではありません。でも、病気に冒された体の桃源先生には時間があまりないのも事実です。

 

「華先輩さえよければ、もう一度桃源先生に会ってもらえませんか!?先生の娘として。」

 

思い切って頼んだ夏生ですが、華先輩は即座に首をタテにふることはできませんでした。

 

娘として

憧れていた作家が、自分の実の父親だった。その事実はあまりにも急で、華先輩の頭は追いついていません。

おまけに、母親からは父親の事を

「家族を顧みないひどい人で、あの人のせいであなたのお兄ちゃんは死んだのよ。」

と言い聞かされていたため、相当いい加減な人なんだろうと思い込んでいたのです。

 

お風呂に入りながら、華先輩は幼いころに学校で書いた作文を思い出していました。

欲しい本を沢山買ってくれて、休みの日には遊びにつれて行ってくれて、仕事帰りにいつもケーキを買ってきてくれて、ご飯の後には一緒に本を読んでくれる。

 

「もしお父さんがいたら、こんなお父さんがいいです!」

 

それは、見た事も会った事もない父親に対するあこがれでした。

一方、本が好きな華先輩の事を、母親はこころよく思っていませんでした。

 

「まったく。やっぱり血なのかしら。」

 

そう言っては、本を取り上げていく母の後ろ姿は、今も華先輩の心に深く残っています。

暗い部屋の中で、そっと桃源先生の本を開く華先輩。開いたページには、桃源先生から読者へのメッセージが書かれていました。

 

この作品を 私が愛する者と すべての抱え生きる者たちに捧げる

 

翌日、桃源先生に会うために一緒に歩く夏生と華先輩の姿がありました。

「あれからよく考えてみたんだけど、やっぱり会ってみようかなって。」

「20歳もすぎたし、母親にはあえて言う必要もないかなって。」

 

会うことを決めた華先輩は、道すがら夏生に語ります。

光の当たらない人や立場の弱い人。声を上げられない人に焦点を当てたものが多い桃源先生の作品。

「それって、先生も苦しんできたからなのかなあって」

 

先生の目に見えない苦しみや想いを感じ取ってくれた華先輩に、夏生は嬉しくなります。きっと先生も喜んでくれる。

 

しかし、ついてみると病院内はざわついており、先生の部屋には看護師が集まっています。

なんと、桃源先生が病室から姿を消してしまって、どこに行ったか分からなくなっていたのです!

 

 

ドメスティックな彼女211話の感想・考察

想いの向こうの父

211話では、ついに華先輩が桃源先生との関係を知ります。

誰に教えられたわけでもないのに、本を読む事、物語にふれるのが好きになった華先輩。

 

母親からしてみれば、小説や本、物語は、大切な大切な我が子の命を奪った原因でもあり、かつての夫(=桃源先生)を、イヤでも思い出してしまう引き金だったに違いありません。

引き離してもそこに惹かれるのは、やっぱり体に流れる血なのでしょうか。

 

華先輩も、そんな母親には気を使いつつ、本から離れる事はできませんでした。父親そのものは「悪い人、いい加減な人、兄の命を奪った人」という印象を持ちつつも、作家として憧れ、尊敬した人はほかならぬ父親だったのですから。

 

やはり、血のつながりというのは、理屈では割り切れないものなのかもしれませんね。

 

桃源先生はどこへ消えたのか?

息子が亡くなってからは、その罪を償うために生きて来た。病気の冒されたことは、自分に天から下された罰であり、救いでもある。そう受け止める桃源先生。

けれど、その一方で、声に出せない苦しみを抱えた人たちへの愛情が作品には溢れています。

その愛情が、知らないとは言え娘に届き、心を開かせたのですね。

先生はどこに消えてしまったのでしょうか?

会う事を決心してきてくれた華先輩。長い間募らせた想いを語り合える時は来るのでしょうか?今後の展開に期待です!

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